1962年の公開洋画 My Best10

【1】まえがき
 映画黄金期と称される1950年代。オードリー・ヘップバーン、グレース・ケリーと共に人気を三分した感あるマリリン・モンロー謎の死に、世界が蒼然となったこの年を思い出す。
 それは同時にハリウッド再編への道を歩む前兆だったのかもしれない。いま正に消えんとする蝋燭の灯が赤々と照らすように、西部劇が元気一杯だったのが印象深い。
 映画以外の話題では、華やかな宣伝のもと炭酸飲料コカ・コーラの人気が爆発した。

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【2】観た1962年公開洋画(アイウエオ順)
★→(1次選考通過作)
↓「 題 名 」→[ひとこと]
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★「怒りの葡萄」→[下述]
↓「エル・シド」→[恩讐超ゆる生き様は風格あるも…]
↓「勝負をつけろ」→[快調なテンポが失速傾向に…]
★「恐怖の岬」→[下述]
★「史上最大の作戦」→[下述]
★「終身犯」→[下述]
★「情事」→[無人島でアンナ失踪。移ろい易い恋。とのメモ残る]
★「西部開拓史」→[下述]
↓「世界残酷物語」→[残酷+エロ・グロ。日本も登場とは…]
↓「逃亡者」→[まずまずだけど、ハリソン様]
★「ニュールンベルグ裁判」→[下述]
★「野いちご」→[下述]
★「ハスラー」→[下述]
↓「昼下がりの決斗」→[垣間見レリ。「ワイルド・パンチ」ノ片鱗ヲ]
★「リバティ・バランスを射った男」→[下述]
★「ロープ」→[下述]
 「ロリータ」→[見直したい。もう一度]

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【3】
1962年公開洋画 My Best10【各画像クリックで本文】

第1位
「野いちご」
 老いと死に目を背けず、天が与えし余生を我闊歩せん。



第2位
「ニュールンベルグ裁判」
 「十二人の怒れる男」と肩を並べる法廷映画の傑作。



第3位
「怒りの葡萄」
 哀れ金持ちの末路。貧民こそ逞しく生き残る雑草。



第4位
「ハスラー」
 「見たかッ!儲かればいい主義よ」と、思わず喝采。



第5位
「西部開拓史」
 雄大な歴史劇に米国の心髄を見る。ハリウッドを無視して映画語れず。



第6位
「終身犯」
 悲痛なり。長年独房の一隅に在りし母の写真を燃やす彼。



第7位
「リバティ・バランスを射った男」
 一気に没入させる磁力。余韻たつぷりの終幕。これぞ西部劇。



第8位
 「史上最大の作戦」
 無惨!犠牲となる木の枝の兵士。最も長く感じる「最も長い日」。



第9位
「恐怖の岬」
 ただ平伏するのみ。マックスの執念の凄さの前に。



第10位
「ロープ」
 相変わらずたいしたもの。ヒッチコック流スリル。ただし…。


男はつらいよ 寅次郎ハイビスカスの花

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 晩春の雨煙る今日、沖縄復帰40年。新聞は特集で報ず。好天の昨日は家庭菜園へ。豌豆を初収穫した。夕餉は豌豆飯。今も昔も変わらぬ旬の味だった。
 その点、映画は昔と今では味(価値観)が豹変している。でも、寅さんシリーズは一貫して同じ味だ。
 昨日はゴーヤの苗も延びてきたので支柱を立てた。ゴーヤといえば沖縄。揺れ続ける基地問題。NHKでも昨夜から話題に採り上げているが、5/10の購読紙は特に、沖縄の方々が本土の人々に抱く感情を中心に特筆していた。

 このシリーズ第25作でも、寅さんが同じような発言を受ける場面がある。それは高所恐怖症を克服してリリーの見舞いに駆けつけた寅さんが、ついうっかりしてお世話になっている高志に吐いた言葉が発端だった。
 折りから海洋博が開催中だった。「そんなこと言うなら沖縄に来てくれるな」。それは新聞と同じ意味合いの内容だった。観光気分で沖縄に旅してはいけない。と。何時もそう思っているつもりだが、改めてそう思う。

     otokowat25.jpg

 高志に素直に詫びた寅さんが、「一目会いたい」というリリーの言葉に、居ても立っても居られず赴いた沖縄だった。南国の太陽を燦々と浴びるハイビスカスの花が、青い海に溶け込むよう。
 そんな二人を取り巻く空気は、夫婦そっくり。リリーの体を気遣う寅さんに、夫婦の感情に似たものを感じるリリー。「世帯を持つか」と言う寅さん。

  このシークェンスは、恰もこのシリーズ、ナンバー・ワン・マドンナは浅丘ルリ子との地位を確固とする瞬間に写った。
 山田洋次監督も何とか二人を結婚させて、シリーズが完了しても満足と思うような撮りようだった。
 行きはひやひや。帰りはへとへと。相変わらず金穴症の寅さん。シリーズ続行を匂わせつつ第25作は、恋と、政治の両輪を包含させた、そのような余韻も豊かに終わりを告げる。

 【私の評価】愛を感じる佳作。
 【私の好み度(①好む。②好む方。③普通。④嫌な方。⑤嫌)】→②。

 1980年(2012/5TV録画観賞=再見).日(松竹)[監督]山田洋次[撮影]高羽哲夫[音楽]山本直純[主な出演者★=好演☆=印象]★渥美清。★浅丘ルリ子。江藤潤。新垣すず。倍賞千恵子。前田吟。三崎千恵子。太宰久雄。笠智衆。佐藤蛾次郎。[上映時間]1時間44分。

1961年の公開邦画 My Best10

 この年はリアルタイム観賞するも鑑賞記未完の作品もあり。後年に鑑賞した作品も入れて10本がやっとこさ(汗)。本来なら9,10位は入れないところだけど、一応体裁を整えた。
 木下恵介作品「永遠の人」を見逃しているのだけは返す返すも残念。これも、更に上級レベルの国家試験に挑戦した為。趣味の犠牲は止むを得ず。
 この受験癖が嵩じ後年6つの国家資格を得るに到るも、趣味の検定受検にまで伝染するとは露知らず。(私事の羅列にて陳謝m(__)m)

1961年公開邦画 My Best10【各画像クリックで本文】
第1位
「人間の條件・完結篇」
 この映画に精根を尽くした小林正樹監督と、主演の仲代達矢に絶賛の拍手を贈りたい。




第2位
「名もなく貧しく美しく」
 あまりにも名もなく貧しく悲しすぎるよ。片山秋子の女の一生は。



第3位
「反逆児」
 信康の最期には絶句。主従愛。肉親愛。が迸る時代劇の秀作。



第4位
「松川事件」
 ある固定観念の基に発生した裁きの庭に身震い。



第5位
「もず」
 題意探りてテーマ究めん。



第6位
「小早川家の秋」

鑑賞記を書く余裕が無かった。“東宝スター総動員の一族郎党映画。中村雁次郎の力演に人生無情を感じさせる”とのメモのみ残れる。


第7位
「好人好日」
 これは私の庭が舞台のような映画。リアルタイムで観ているが、今夏に放映予定ゆえ、レビューを控える。


第8位
「ゼロの焦点」
 松本清張の思想を理解しきった野村芳太郎演出に喝采したい。



第9位
「釈迦」
 大作だが概して総花的。



第10位
「わが恋の旅路」
 もう一つ伝わるものが少ない。


もず

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 今朝は黄色い薔薇が一輪満開となった。その名は知らない。次女が育てていた薔薇を妻が引き継いで育てている。皐月の花は美しい。

 花には鳥が似合う。
 モズ。スズメ目モズ科モズ属。成る程雀に似ている。
 百舌鳥と書く。様々な鳥の鳴き声を真似る囀りから付けられたという。
 動物食。モズの早贄と呼び、獲物を木の枝等に突き刺す習性があるらしい。

 こんな事を調べたのは、この映画が何故「もず」と名付けられたのか?という疑問が湧いたからに過ぎぬ。
 長年、新橋の小料理屋で働く母親と、松山から上京した娘の様々な確執、葛藤が、話の中核を形成する。
 水木洋子の脚色だけに、描かれる女性心理は極め細やか。渋谷実監督の演出はヴィヴィッドに迫るものがある。淡島千景と有馬稲子は火花を散らす。

 モズの早贄と関連有りそうで、無さそうでもある。結局、“もず”との関連は不可解な儘、グッと来るラストを迎える私だった。

 【私の評価】優れた作品です。
 【私の好み度(①好む。②好む方。③普通。④嫌な方。⑤嫌)】→②。

 1961年.日(松竹)[監督]渋谷実[撮影]長岡博之[音楽]武満徹[主な出演者★=好演☆=印象]★淡島千景。★有馬稲子。永井智雄。山田五十鈴。乙羽信子。清川虹子。川津祐介。佐藤慶[上映時間]1時間35分。

ブラック・スワン

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 バレエ音楽で大きくロシアに貢献したチャイコフスキー。彼の三大バレエ音楽の中では、クリスマス・イヴの幻想も豊かに創り上げた「くるみ割り人形」が一番好きだ。
 が、中世期ドイツの白鳥伝説に基づく「白鳥の湖」は押しも押されもせぬ屈指の名作である事は論を待たない。

 湖畔で王子が射ようとした白鳥は魔法に掛かった王女だった。魔法を解ける者は彼女に真の愛を捧げる王子のみ。王女生き写しに娘を仕立て婚約させる悪魔。湖に投身する王女。後を追う王子。
 哀しい全三幕だが、映画はその第二幕。二人が出逢う湖畔の“情景”を、ロ短調4分の4拍子のもの悲しい旋律に合わせ踊るニナに焦点を当てる。

 ポーズ==静止。パ=動き。マイム=黙劇。バレエの三大要素を頭や手足で白鳥を表現する君は天才的。だが悪魔の娘黒鳥役は臆病だ。振付師ルロイは厳しく迫る。
 こういう類の映画は、1980年代に続出した。「コーラスライン」「ファーゴ」「フラッシュダンス」などだ。この映画もそれらに劣らぬが、ニナに自慰まで強いるルロイには吃驚。こういう類の現代映画の価値観は最早や不変か。昔気質の私は好まぬが。

 美しい花も何時かは枯れる。ニナの母も元ダンサーだった。「歳を取ると哀しい事が多くなるのよ」の言葉を残し引退するベスの脊に「黄昏」(1951年)で、老いゆく心境をひしひしと伝えた名優ローレンス.オリヴィェが被さった。
 彼女の後を狙うニナの最大のライバルは、大胆な黒鳥を演じるリリー。彼女の大胆な官能表現も上述と同様。だが現代映画を見続けて来ると怖ろしいもの。今や慣れてきた感もある。

 ということで、バレエ場面をふんだんに見せる中で、人間の確執や葛藤を描いてゆく。
 が、そういう類の映画なら、 愛と恩讐の狭間に生きる人間を描き、誰にも訪れる人生の黄昏時にも決して慌てることのない生き方を為し得るかを考えさせて呉れた「愛と喝采の日々」(1977年)が上位と思う。

 この映画の特徴は人間ドラマでもあり、現実と幻想が交錯するファンタジアの匂いも発散させていることかな?。
 いや、そういう類の映画なら、現実と架空の世界が交錯し、色彩豊かな幻想美に酔いしれた「赤い靴」(1950年)の方に軍配を挙げたくなる。

 などなど思い馳せる中で、日を追って酷くなってゆくニナの背の傷を眺めつつ、アッと驚くラストに到る。そうか、これはサイコ・スリラー・サスペンスではなかったのか。と、、。
 いろいろ迷わせて呉れたニナであった。そんな彼女を演じたナタリー・ポートマンには一目置かざるを得ない。

 【私の評価】可成りの意欲ある佳作。
 【私の好み度(①好む。②好む方。③普通。④嫌な方。⑤嫌)】→④。

 2010年(2011公開)(2012/5/9TV録画観賞=初見).米(FOX)[監督]ダーレン・アロノフスキー[撮影]マシュー・リバティーク[音楽]クリント・マンセル[主な出演者★=好演☆=印象]★ナタリー・ポートマン。ヴァンサン・カッセル。ミラ・クニス。バーバラ・ハーシー。ウィノナ・ライダー[原題]BLACK SWAN[上映時間]1時間48分。
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Author:ascapapa


2011/9/1以降、「アスカ・スタジオ」の映画部門を、こちらで継続します。

私の生涯No.1映画は、1954年にリアルタイムで観た「二十四の瞳」です。

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