続・男はつらいよ

今日の当家購読紙は、映画産業の右下がり傾向を伝える。東日本大震災の影響もあるが、ヒット作品が少ないのも一因だと。そんな気もする。映画館に触手が伸びる作品が最近少なくなった。
こんな時は旧作の再見も乙なもの。ということで、男は…シリーズ第2作を再見。
結論から先に言えば、私目線では第1作より落ちる感は歪めぬ。
見所が2点在ると思う。
母子の情愛と、師弟愛だ。
前者は、38年ぶりに会った生みの母に期待を裏切られた寅さんの悲哀!。
ラストシーンで結論を写すものの、其処に至るプロセス描写が皆無なのが甚だ呆気ない。省略の芸術も佳いだろうが、、。私としては釈然としないのが、評価を稍下げた理由である。
後者は、東野英治郎扮する旧師が寅さんにアドバイスする「人生には4つの節がある。その一番は死だ。母に会いに行け」の言葉に含蓄有り。
あとの3つは何だろう?。私が出した結論は、入学。就職。結婚。男目線からの考察であり、間違っているかもしれない。
やがて、人生一番の節を迎える旧師。師の為に苦心して吊って来た鰻を手に呆然の寅さん。
更に、師の葬儀で、師の娘に、シリーズ失恋第2号を味わう寅さん。
“男はつらいよ”の文句がピッタリの第2作である。
知っている人は少なくなったが、昔、トイレの前にあった手洗い家具。全く見掛けなくなったなぁ。[美術担当]佐藤公信の時代考証の確かさに喝采!。
【私の評価】準佳作。
【私の好み度(①好む。②好む方。③普通。④嫌な方。⑤嫌)】→②。
1969年(2012/1/26TV録画観賞=再見).日(松竹)[監督]山田洋次[撮影]高羽哲夫[音楽]山本直純[主な出演者★=好演☆=印象]★渥美清。佐藤オリエ。ミヤコ蝶々。☆東野英治郎。山崎努。倍賞千恵子。☆森川信。前田吟。三崎千恵子。太宰久雄。川又登。笠智衆。佐藤蛾次郎[上映時間]1時間33分。