1970年公開の外国映画 My Best10
【1】
[まえがき]
アメリカン・ニュー・シネマが全開の年であった。
同時に、フランス、イタリアを筆頭にして、ヨーロッパ映画も活況を呈していた。
My Best10も、両者が二分した形となっている。
栄華を極めたかってのハリウッド王国は大きく崩れた様相を呈するも、映画王国そのものは健在だったと云える。
ただ、時の流れと共に、映画の内容そのものは、大きく旋回しつつも、その流れを止めることはなかった。
【2】
''70公開作 My Best10【各画像クリックで本文】
第1位
「影の軍隊」
扉の下の隙間から、部屋の向こう側が分かる。灯り。人影。靴音。その鋭さ。終わりに待っている悲しい定めに泪する。「娘の写真は捨てよと言っていたのに…」母と子の愛は切っても切れないのだ。
第2位
「明日に向って撃て!」
セピア基調の草原。ブッチとエッタが快楽を爆発させる。自転車の輪が地面に倒れゆっくりと回転を停める。そんな余韻が残る中で奏でられる音楽が快い。
第3位
「Z」
正義の戦いは勝ったのか負けたのか。7人の証人の不審死。被告連の減刑。予審判事の解任。軍が禁止した項目=「長髪」「ミニスカート」「ソ連寄り姿勢」「ストライキ」「現代音楽」と「ポピューラ音楽」にはショック。
第4位
「イージー・ライダー」
この映画に小理屈はいらないのだ。これは感性で観る映画なのだ。脈々と息づく逆光線やハレーション撮影etc.。
第5位
「いちご白書」
映画はその時代を反映する。その時に直接接していなくても、その時を想うべきである。この映画を観てそう思った。
第6位
「M★A★S★H」
反戦映画と思うが、背後で繰り広げる官能や、感謝祭のフットボールは、ブラック・コメディ以外の何ものでもない。ちょっと巫山戯すぎの摩訶不思議な映画。
第7位
「ひまわり」
斯くも似るか、イタリアと日本の戦後。緑なす葉っぱの海に黄色い大輪が風にそよぐ。トップカットの見事さは、魅力的な音楽と共に作品を引き立てる。
第8位
「シシリアン」
冒頭クレジットに出るチェーホフの言葉から、この物語の内容が想像出来る。「私が馬泥棒について書く時…盗みの罪は問わない。それは陪審員の役目だからだ。
第9位
「ワーテルロー」
長屏風に描かれた一大絵巻を見るようである。悲しく嘶いて臥す軍馬よ哀れ。「何故戦う?。敗者の次に勝者も哀れ」ウェリントン将軍の呟きこそ此の映画のテーマであろう。
第10位
「雨の訪問者」
次第に暴露して来る夫の秘密。謎めく友人。札入り鞄の発見。容疑者が住んでいたパリを訪れるメリー。テンポは快調。発見死体が握りしめていた掌は真実を伝えていた。
次点
「ボルサリーノ」
BORSALINOを仏和辞典で引いたら無かった。イタリア語のようだ。帽子のブランド名らしい。アラン・ラッドが冒頭で被っていたのがそれかも。成る程一流ブランドを匂わすような雰囲気はある。
--以上--
[まえがき]
アメリカン・ニュー・シネマが全開の年であった。
同時に、フランス、イタリアを筆頭にして、ヨーロッパ映画も活況を呈していた。
My Best10も、両者が二分した形となっている。
栄華を極めたかってのハリウッド王国は大きく崩れた様相を呈するも、映画王国そのものは健在だったと云える。
ただ、時の流れと共に、映画の内容そのものは、大きく旋回しつつも、その流れを止めることはなかった。
【2】
''70公開作 My Best10【各画像クリックで本文】
第1位
「影の軍隊」

第2位
「明日に向って撃て!」

第3位
「Z」

第4位
「イージー・ライダー」

第5位
「いちご白書」

第6位
「M★A★S★H」

第7位
「ひまわり」

第8位
「シシリアン」

第9位
「ワーテルロー」

第10位
「雨の訪問者」

次点
「ボルサリーノ」

--以上--