豚と軍艦
1961年公開【監督】今村昌平【出演】長門裕之。吉村実子(他)

今村昌平作品に、私はある共通点を見出す。
①動物がよく現れる。
『にっぽん昆虫記』『神々の深き欲望』『楢山節考』等に見られのは、蛇、蜥蜴、蟻、蛙、梟、牛、馬、豚etc。
この映画は、豚、豚、豚…。
豚の洪水シークェンスは正に本編の圧巻である。
②性表現も多く見られる。
前述した作品に『黒い雨復讐するは我にあり』『黒い雨』等も加えて見られる近親相姦や不貞、更には献身的性愛などの描写が見られる。
この映画でも。吉村実子が集団レイプされる俯瞰ショットが悲愴にして壮絶。
これらからは、上述の動物表現とも奇妙に結びつき、赤裸々に訴える何かを感じる。
③血生臭いシーンも特徴。
『楢山節考』に於ける、田圃に捨てられた胎児の死体など何時までも忘れ難い。
この映画でも、豚を通じて人間を食べるシーンには、長門裕之ならずとも、ぞっとすること甚だしい。
はっきり言って、私はこのようなギラギラとした表現は、好みではない。それは、今村作品はどちらかというと好まないということに通じる。
だが、憎いことに、それらの作品は、みな優れているのだ。肌は合わなくても、その価値は認めざるを得ないのである。
此処、横須賀に於ける半世紀前の現象に、現在の沖縄も或る程度覆い被さらぬでもない。
此処には、殺伐たる裏社会に生きざるを得ない人々、其処から逃れようとする人。そして、溺れ去った人、要領よく立ち回る人。が渦巻き、脈々と息づく。
そんな渦中から立ち直ろうと藻掻く、チンピラの欣太と、彼の恋人春子。その前にデンと立ち塞がる厚き壁。そしてあの惨劇は何を語るか。
綺麗事は大嫌い。何事も恐れず直視。其処から問題課題を投げかけ、何等かを主張する。それが今村哲学なのだと思う。

今村昌平作品に、私はある共通点を見出す。
①動物がよく現れる。
『にっぽん昆虫記』『神々の深き欲望』『楢山節考』等に見られのは、蛇、蜥蜴、蟻、蛙、梟、牛、馬、豚etc。
この映画は、豚、豚、豚…。
豚の洪水シークェンスは正に本編の圧巻である。
②性表現も多く見られる。
前述した作品に『黒い雨復讐するは我にあり』『黒い雨』等も加えて見られる近親相姦や不貞、更には献身的性愛などの描写が見られる。
この映画でも。吉村実子が集団レイプされる俯瞰ショットが悲愴にして壮絶。
これらからは、上述の動物表現とも奇妙に結びつき、赤裸々に訴える何かを感じる。
③血生臭いシーンも特徴。
『楢山節考』に於ける、田圃に捨てられた胎児の死体など何時までも忘れ難い。
この映画でも、豚を通じて人間を食べるシーンには、長門裕之ならずとも、ぞっとすること甚だしい。
はっきり言って、私はこのようなギラギラとした表現は、好みではない。それは、今村作品はどちらかというと好まないということに通じる。
だが、憎いことに、それらの作品は、みな優れているのだ。肌は合わなくても、その価値は認めざるを得ないのである。
此処、横須賀に於ける半世紀前の現象に、現在の沖縄も或る程度覆い被さらぬでもない。
此処には、殺伐たる裏社会に生きざるを得ない人々、其処から逃れようとする人。そして、溺れ去った人、要領よく立ち回る人。が渦巻き、脈々と息づく。
そんな渦中から立ち直ろうと藻掻く、チンピラの欣太と、彼の恋人春子。その前にデンと立ち塞がる厚き壁。そしてあの惨劇は何を語るか。
綺麗事は大嫌い。何事も恐れず直視。其処から問題課題を投げかけ、何等かを主張する。それが今村哲学なのだと思う。