戦火の馬 2011年('12公開.米)

監督のスティーヴン・スピルバーグ。デビュー作「激突!」は音楽に準えれば軽快なジャズ。反して「戦火の馬」は重厚なシンフォニーだろう。
曲名は“絆”とでも名付けよう。
第1楽章は、“人と馬”だ。その奏でる心は、「馬」(1941年.日)や、「白い馬」(1952年.仏)や、「優駿 ORACION」(1988年.日)や、「シービスケット」(2003年.米)等と、激しくシンクロし迫り来る。
更に第2楽章で、“人と人”の交流を綿密に奏でる。ここがこの作品が優れていると考える由縁。
そして最終楽章“人と人と馬”で、高らかにコーダを謳歌しつつ終わりを告げる。
といったところではなかろうか。
このようなオーソドックス・スタイルもそつなくこなす巨匠。未だ健在の感を強くした次第。