グラン・ブルー(完全版)デジタル・レストア・バージョン

冒頭のモノクロ部分で、テーマ及び、伏線となる台詞を聞いた。前者が「潜らないで暮らせるか?!」。後者が「人魚を見たことがあるか?。わしは見た」である。
一転、ブルーの海が眩しいシチリアのカラー画面となる。
それがやがて、アンデス山脈のラ・ラーヤへ。海抜4315mの白銀の平原だ。
そして、コートダジュールへと。
アンデスは、無味乾燥めき、殺伐めいたストーリーを和らげる目的で、女性のジョアンナを登場させるためだろうが、その撮影は雄大。随所に織り込むイルカも和らぎになっている。

フリーダイビングで、108mの記録を打ち立てるジャック。そんなに潜って何になる?。という思いが一瞬、脳裏を過ぎる。
でもその直後に、「エヴェレスト征服」(英)が覆い被さって来た。「何故そんなにまでして山に登る?」の質問に、ヒラリー隊長は悠然と答える。「そこに山があるからだ」。
この映画は1954年2月1日にSY京映で観ていた。よく、映画は映画館で。というが真理を突いている。
その時の館内の様子まで覚えている。相乗効果で映画の中身も体が覚えているからだ。脱線した。元に戻れ!。
ジャツクも、彼のライバルであるエンゾも、「そこに深い海があるから」だったろう。
エソゾ、115m。4分50秒。
その後、ジャック、120m。
ここで予感したことは、やはり、その先で起こることになる。此処まで。

ジョアンナの出現は、やはりR15もどきとなり、撮影時間も長すぎる感を与えるのが、私としては減点対象になった。
【私の評価】中の上。
【私の好み度(①好む。②好む方。③普通。④嫌な方。⑤嫌)】→③。
1988年(2011/9/29TV録画観賞=初見)仏.[監督]リュック・ベッソン[撮影]カルロ・ヴァリーニ[音楽]エリック・セラ[主な出演者★=好演☆=印象]ジャン・マルク・バール。★ジャン・レノ。ロザンナ・アークエット。マルク・デュレ。ポール・シェナール[原題LE GRAND BLEU[上映時間]2時間12分。←これはオリジナル・バージョンの時間でした。2時間49分に訂正します。