
1995年。海底探査船ケルディッシュ号は、水深3650mの海底に眠るタイタニック号の真上に到達した。
映画「タイタニック」の冒頭附近は、1996年にかけてケルディッシュ号搭載の海底探査機ミール1&2号が写した映像が使用されていた。
本編は、ジェームズ・キャメロン監督が2001年に最新の撮影技術で再び撮った作品と聞く。
あの運命の日。1912年4月15日のタイタニック船内を写し出す最新探査機ジェイク&エルウッドの映像。
「まさか伝説をこの目にするとは」。「夢みたいだ」の言葉に実感が籠もる。「ずっと泣いていたよ」の言葉にも。
ジェームズ・キャメロン監督は、其処に当時の搭乗者を幻の姿で登場させる。
一人の幻が「救命ボート減らせ」と命令している。この一言が、2223人中、1517名もの命を絶たせたのだ。嗚呼。

有名なあの大階段も流失していた。その反面、無傷だった食堂の窓がある。エンジンはスフィンクスのよう。
煙突から落ちた汽笛。これが遭難を伝えていたのだ。「この船に死を結びつけるけど、歴史家の私は命が見える」の台詞が耳を突き刺すようだ。
フォークやスプーン類。そして、女性の靴が見つかる。紐まで結んである。涙。
「男女を問わず一人でも多く」と乗客救助に当たった乗組員も居たという。
「乗客の美談は本当?」「あの場面で本当に死を恐れぬ行動を執れたろうか?」と自己に疑問を投げかける調査員に、共振して仕舞う。
ジェイク&エルウッドの電池が切れる。必至に回収する調査員。成功!。そのお陰で、調査時の姿そっくりのボイラー室を映画で見られた。
バクテリアが、タイタニックの鉄を自然に返していた。
犠牲者の冥福を祈りながら見る本編であった。
1998年1月13日。シネマデプト友楽で見た映画
「タイタニック」。

このドキュメンタリーを見た後で、TV放映を再見した。
タイタニックに賭けるジェームズ・キャメロン監督の執念を見た。