ウィンチェスター銃73

映画作品には様々なジャンルがある。自己流乍ら私は次の様に分類したい。
①広義の文芸ドラマ(フィクション&ノンフィクション)。
②ドキュメンタリー風作品。
③歴史もの(含時代劇)。
④戦争映画。
⑤サスペンス。
⑥アクション。
⑦SF。
⑧アニメ。
⑨音楽(含ミュージカル)。
そして、⑩西部劇。である。
が、最近、⑩は、一昨年に公開された「3時10分、決断のとき」以降、私はその姿を見ぬ。全盛の1950年代に多くの西部劇を観た私は寂しい。西部劇は何故衰退したのか。人種差別が激しかった時代の産物というのが最大要因と思う。
事実、差別に反省のメッセージが込められていた1990年の「ダンス・ウィズ・ウルブス」を観た時は、「これでおしまい」という感を深くしたものだ。
この様な西部劇にも薫り高い作品はあった。子供の目線から大人の世界を見た「シェーン」など、その最高峰であろう。
「ウィンチェスター銃73」は、西部劇全盛時代の作品。殆ど西部劇を撮っていたアンソニー・マン監督の作品。この監督の数少ない非西部劇作品「グレン・ミラー物語」には感動したが、流石に撮るコツは心得ている。

この映画の主役は、人間ではなくて、名器の73年型ウィンチェスター銃だ。その中で、銃を取り巻く人間達の軋轢と、葛藤と、格闘、決闘を、恰も錦絵の絵物語のように織りなしていく。
リン(ジェームズ・スチュワート)が切手のど真ん中を撃つ場面など秀逸。山岳での決闘で、弾が岩に跳ね返る迫真力などは圧巻。
主役のウィンチェスター銃73が、次々と持ち主を変えていくという構成は、「たとえ西部劇が嫌いな方でも、映画的には優れたもの」とお認めになるのではないか?と推測する。
その反面、活劇アクションのほかにも、適当なお色気話も盛られて面白い。が、それは観ている時だけ。定番娯楽西部劇としてのパターンを踏襲した作品。の域は超えられず。といったところ。
1939年「駅馬車」や「大平原」で、颯爽と出現した西部劇。今や、忘れられた存在になりつつある。終焉の時は近いのであろうか。
【私の評価】中の中。
【私の好み度(①好む。②好む方。③普通。④嫌な方。⑤嫌)】→②。
1950年(52公開)(2011/7/5TV録画観賞=再見).米(ユニヴァーサル)[監督]アンソニー・マン[撮影]ウィリアム・H・ダエルズ[音楽]ジョセフ・ガーシェンソン[主な出演者☆=印象]☆ジェームズ・スチュワート。ロック・ハドソン。シェリー・ウィンタース。スティーブン・マクナリー。ミラード・ミッチェル。チャールズ・ドレイク。。[原題]WINCHESTER '73[上映時間]1時間33分。
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