少女ムシェット

こんな救いの無い映画は初めてかもしれぬ。
暗すぎる。本来、暗い映画は嫌いだ。
地味すぎる。派手な映画が好きだった若い頃の私なら多分途中放棄していただろう。
残酷である。
罠に嵌って藻掻く鳥を執拗に追うカメラ。
学友だけでなく、先生までする虐め。
ムシェトに陰部を晒け出す野郎共。
ムシェトも反発する。
学友に石を投げ返す。
色男に遊園車をぶっつける。
微力な発散だけど、ムシェットが爆発した唯一の一瞬!。
フェイド・イン。
胸元を正すムシェット。何があったかが分かる。
帰宅。待ち侘びていた病床の母と、その不肖の乳飲み子。「ミルク」「おしめ」…。
フェイド・アウト。
母の死。
遙かに鐘の音が聞こえた。
この映画の中で、音楽は何処で聴いたのだろう?。と思っていろ内に、
突然ホッペを叩かれたような!ラスト附近で聴いた。
此の映画は何を訴えて居るのか?。
それは各人で考えよ。と言って居るのかも知れない。
小津映画によく見られるように。
【私の評価】魂も凍り着くような衝撃作。
【私の好み度(①好む。②好む方。③普通。④嫌な方。⑤嫌)】→⑤。
1967年(74公開)(2011/9/27TV録画観賞=初見).仏[監督]ロベール・ブレッソン[撮影]ギスラン・クロケ[音楽]クラウイ゙ィオ・モンテヴェルディ/ジャン・ウィエネル[主な出演者★=好演☆=印象]★ナディーヌ・ノルティエ。マリア・カルディナール。☆ジャン・ヴィムネ。ジャン・クロード・ギルベール。マリーヌ・トリシェ[原題]MOUCHETTE[上映時間]1時間20分。
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