私は二歳

「5000円貸して」と言われて「そんな大金無いわ」と千代は応える。そんな時代だった。夜になると閉める雨戸が懐かしい。タイアップのM牛乳で思い出すあの事件。余談ながら、その後のY牛乳事件も。私事ながら、この頃、妻は長女にL牛乳を飲ませていたことを思い出す。
時代考証は確か。さすが市川崑監督。でもせめてターちゃんの両親に「世の中にはいろいろな人も居るのに、私たちはしあわせだね」といった意味の台詞を、一箇所でもいいから、何処かで入れて欲しかったなぁ。
それにしても、「バナナのお月さま」と呟くターちゃん。愛すべきこの2歳の適役よ。
枯れた植物で暗示する、おばあちゃんの死。
でもこんなこと、言っては悪いだろうが、順送りでよかった。
【私の評価】優れた作品です。が、多数の人にとって。という条件が付く。
老婆心ながら、順送りではなくて、子や孫に先立たれた極く少数の人にとっては、複雑な気になりはしないか?。
何時の日か、純粋に趣味として映画を観られる日を夢見つつ。
【私の好み度(①好む。②好む方。③普通。④嫌な方。⑤嫌)】→本来は②
(個人的に観る時期が悪かった)。
1962年(2011/10観賞=初見).日(大映)[監督]市川崑[撮影]小林節雄[音楽]芥川也寸志[主な出演者★=好演☆=印象]船越英二。山本富士子。★浦辺粂子。渡辺美佐子。京塚昌子。岸田今日子。★鈴木博雄(僕)。☆中村メイコ(僕の声)[上映時間]1時間28分。
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