愛と哀しみの果て

パソコン通信華やかなりし頃、加入していたネットで、「愛と○○の○○」と題する映画について話題が盛り上がったことを思い出す。
①「愛と喝采の日々」(1977年)
②「愛と哀しみのボレロ」(1981年)
③「愛と青春の旅だち」(1982年)
④「愛と追憶の日々」(1985年)
⑤「愛と哀しみの果て」(1985年)
⑥「愛と野望のナイル」(1989年)
⑦「愛と精霊の家」(1993年)等が挙げられたと思う。
残念ながら1980年代は海外の仕事に追われ、映画を観る余裕に乏しかった。上記の中でも①と③を後日にテレビで観た以外は未見。従い此の映画も初見だった。
そこで思ったけど、映画はその時代を如実に反映するという格言通り、特にこの様な映画はリアルタイムで観ないと感動に乏しくなる事を実感する。
「風と共に去りぬ」までは行かないが、物語が線のように長い。2時間40分を超す時間も長く感じる。広く平面的な内容も、起伏に乏しかった。例えば、この映画のテーマ“愛”の表現が薄っぺらく感じるから。
それは、デニスとカレンの出逢いや、デニスの不測の事故が、偶然的に感じさせる描写も一因。要は、作り話的で、立体的な感覚に乏しかったのが、感動がもう一つ薄かった要因と思う。
部分的には「動物は真剣だ。人間は手を抜く」に代表するアフリカ大陸のスケールの偉大さ。「神は罰そうとする時、祈りを叶える」に代表する人間尊厳の主張。「英国人は文字を読めて何を得たか」に代表する白人社会への批判。等が随所に盛られ印象深い断面もある。
【私の評価】佳作。
【私の好み度(①好む。②好む方。③普通。④嫌な方。⑤嫌)】→③。
1985年(86公開)(2011/11/5観賞=初見).米(ユニヴァーサル)[監督]シドニー・ボラック[撮影]デヴィッド・ワトキン[音楽]ジョン・バリー[主な出演者★=好演☆=印象]メリル・ストリープ。ロバート・レッドフォード。クラエス・マリア・ブランダウアー。マイケル・キッチン。マリク・ボウエンズ[原題]OUT OF AFRICA[上映時間]2時間41分。
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