ダントン

フランス革命は成ったが混乱は残る。ギロチンの大写しが生々しい。恐怖政治を敷くロベスピエール。民衆の支持をバックに立つダントン。政策、性格、実践行動。何かにつけて対照的な二人の対立と葛藤を撮ったアンジェイ・ワイダ演出は、英国映画「わが命つきるとも」を想起させる内容だった。
ダントンは勿論「わが命…」のトマス・モアである。ダントンに扮するジェラール・ドパルデュー。巨体を揺り動かす数々の熱弁は、民衆のみならず観る者の心まで動かす。
何処の国にも、何時の世にも、死をも恐れず、大義を貫き、薫り高く勇ましい生涯を送る人物が居る。
今の世こそ、そういう人物が輩出して欲しいと思った次第。舞台はフランスでも、数々の母国ポーランドを愛する作品を撮ったアンジェイ・ワイダ監督。その熱意は、全く同じである。互いに歩み寄ろうと、二人が会う場面が印象深い。どんなに藻掻いても水と油は所詮混じり合わないのだ。これを宿命と呼ぶのであろうか。
【私の評価】意欲漲る力作。
【私の好み度(①好む。②好む方。③普通。④嫌な方。⑤嫌)】→③。
1982年(84公開)(2011/11/10TV録画観賞=初見).仏/波蘭/西独.[監督]アンジェイ・ワイダ[撮影]イゴール・ルター[音楽]ジャン・プロドロミデス[主な出演者★=好演☆=印象]★ジェラール・ドパルデュー。☆ヴィッツェフ・プショニャック。パトリスメシェロー。ロジェー・ブランション[原題]DANTON[上映時間]2時間16分。
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