にあんちゃん

今日は12月8日。この日になると何時も思い出す。あの臨時ニュースを。あれから丁度70年も経ってしまった。「にあんちゃん」が作られたのは、奇しくも「十二人の怒れる男」と同い年。今から52年前の1959年。未だに戦後の影宿す佐賀の炭坑。落盤から廃坑に至る挿話は「わが谷は緑なりき」と同じ。
そして人種差別に対する怒りに満ちる。父を亡くした4人兄弟姉妹の話は痛ましい。「十二人の怒れる男」と比べると、戦勝国と敗戦国の差異を痛切に感じる。
長崎に働きに出る兄と姉。辺見家に預けられる弟と妹。お腹が空いて水を飲んで凌ぐ にあんちゃん。「凄い」という言葉は君の為にある。
栄養失調そして赤痢になる妹、末子ちゃん。この映画は貴女の日記が基だったのですね。感服しました。
【私の評価】「十二人の怒れる男」にも負けず劣らじの堂々たる秀作。
【私の好み度(①好む。②好む方。③普通。④嫌な方。⑤嫌)】→②。
1959年(2011/11/23TV録画観賞=初見).日(日活)[監督]今村昌平[撮影]姫田真佐久[音楽]黛敏郎[主な出演者★=好演☆=印象]長門裕之。松尾嘉代。★沖村武。☆前田暁子。★北林谷栄。☆殿山泰司。辻伊万里[上映時間]1時間41分。
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