男はつらいよ

久し振りに先日観た「男はつらいよ寅次郎(第28作)紙風船」だった。観賞後無性に、第1作から順番に再見したい衝動に駆られた。といった訳で第1作を久し振りに観る。
矢切の渡しで故郷へ戻る寅さん。「これから此の渡しを何度行き来するやら」と思うと、寅さん=渥美清という図式の27年間が走馬燈のようによぎる。
「故郷に残した妹に会いたい!」20年ぶりに葛飾柴又の土を踏む寅さん。その心境は、帝釈天に向かう彼の纏い姿に象徴されて見事。
そんな寅さんが妹さくらの縁談を壊して仕舞う失敗の巻第1号。思わず噴き出すショットの洪水。渥美清は和製チャップリンだ。
御前様と娘の冬子と逢うシークェンス。私が何時も歩く散歩道も写る。ちょっぴり頬も緩む。
寅さん怪我の功名で、さくらと博が結婚へ。結婚披露宴の圧巻は、花婿の父、志村喬の名演。寅さんとの心の打ち解けシーンは感無量。
“世の中は自分の思う通りにならぬもの。人は誰も心に重荷を背負い生き続けて居るのではなかろうか?”。
これが第1作で感じた結論だった。男はつらいよシリーズが、只の喜劇映画では無い所以が此処にある。
寅さん第1号失恋で第1作は終わる。
【私の評価】秀作です。
【私の好み度(①好む。②好む方。③普通。④嫌な方。⑤嫌)】→①。
1969年(2012/1/24観賞=再見).日(松竹)[監督]山田洋次[撮影]高羽哲夫[音楽]山本直純[主な出演者★=好演☆=印象]★渥美清。光本幸子。☆倍賞千恵子。☆笠智衆。★志村喬。★森川信。☆前田吟。佐藤蛾次郎。三崎千恵子。☆太宰久雄[上映時間]1時間31分。
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