男はつらいよ フーテンの寅

このシリーズ映画。オープンクレジット前の小話が面白い。何時も本編への興味を掻き立てるのだ。今回は、寅さんと話す旅館のお手伝いさんを見て、うちのかみさんが叫んだ。「樹木希林や!」。昔初見の時は気付かなかった。彼女の若い頃の芸名は悠木千帆と初めて知った。大器はやはり無名の頃から目立つ。
本編に入る。前半は、真面目に働こうと決心した寅さん。旧知の女性と見合い。その結果は、見合い相手のピンチに一肌脱ぐドタバタ喜劇と相成る。いつもの雰囲気とは異なる。監督が山田洋次ではなかった。演出の差異が良く分かる第三話である。
後半は、温泉女将の弟周辺に焦点が充てられ、本来のテーマが呆けていた。当時人気を集めていたTVドラマ「細腕繁盛記」のヒロイン新珠三千代が此処でもマドンナ役。絶頂期の彼女だったが、この映画では余り冴えず。
面白味はある。
当時は男性の喫煙率が90%を超えていた。私も当時はヘビースモーカーだった。映画の中でも男優はポカスカ吸っている。寅さんを怖がって、梅太郎(太宰久雄)が口からポイッ!と落とすショットは傑作。
寅さんが働いていた温泉旅館に、おいちゃん夫婦が泊まりに来る大騒動もなかなかの見もの。
良きに付け悪しきに付け、全編が、喜劇の得意な森崎東演出に染められている。
【私の評価】凡作。
【私の好み度(①好む。②好む方。③普通。④嫌な方。⑤嫌)】→③。
1970年(20121/27/観賞=再見).日(松竹)[監督]森崎東[撮影]高羽哲夫[音楽]山本直純[主な出演者★=好演☆=印象]渥美清。新珠三千代。☆悠木千帆。森川信。三崎千恵子。☆前田吟。★倍賞千恵子。春川ますみ。☆左卜全[上映時間]1時間30分。
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