
【1】
まえがき
上記画像6月24日欄に、70年12月制定の水質汚濁防止法施行。とある。私事乍ら公害防止。エネルギー管理。危険物や防火管理等の国家資格を活用。9月5日管理職の末席を担う事になった私に、映画を見る時間は殆どと言っていいほど残されていなかった。
なお、お湯を注ぐだけで食べられる即席ラーメンが世に出たのが、確か此の年だった。
【2】
日本映画
従って此の年の日本映画はMy Best5が辛うじて可能。だが男はつらいよシリーズ作品が第6.7.8作と3本も占める。従いランキング作成を中止する。
なお、同シリーズ以外で鑑賞した優秀作は、下記の2本である。
激動の昭和史 沖縄決戦(監督=岡本喜八)戦争と人間(第二部)愛と悲しみの山河(監督=山本薩夫)【3】
外国映画
いま、竹島を巡る韓国と同様に、尖閣列島を巡り余談許さぬ中国が、国連に加盟し米中接近が見られた年だった。
日本も米国との関連で、1$360円の固定相場が崩れた年でもあった。
映画界では、昨年に引き続き、米国と欧州の対決という構図が垣間見られた。この年のMy Best10も両者が折半している。
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My Best【各画像クリックで本文】
第1位
「屋根の上のバイオリン弾き」
ユダヤ人迫害シーンを経てインターミッションとなる。後半は、少々口喧しい妻との狭間に立つ主人公が素晴らしい。話は一挙にユダヤ民族の哀しい宿命に雪崩れ込んでいく。いゃ~、全然長く感じなかった。第2位
「小さな恋のメロディ」
裕福な家庭の友に嫉妬を覚える主人公。母子家庭で育った私には痛いほど理解できる。その友が女生徒に淡い恋心を覚える心境も然り。彼女の縦笛にチェロで合奏する彼を見て、思わず小学校1年のある瞬間を思い出す…。第3位
「不思議な村」
鄙びた村の学校に赴任した女性教師が体験した世にも不思議な物語である。この村の生徒は何故か足を擦って歩く。音楽の時間に歌を唄わない。それに笑わない。更に不思議なことが起こる…。第4位
「ある愛の詩」
中身は甘いラヴ・ストーリーに過ぎない。が、砂漠で発見したオアシスのような雰囲気を持つ。単なるセンチメンタリズムという言葉だけでは片付けられない。健やかな抒情性に富む。第5位
「ライアンの娘」
戦闘は背景に過ぎず。この映画の主題は恋愛。チャールズとロージーは結婚する。初夜の二人と隣室の群舞。二人の不調和を暗示する見事なクロス・カッティング。二人の運命を暗示する蓄音機のベートーヴェンが見事。第6位
「ベニスに死す」
難解だが芸術の薫りは嗅げる。マーラーの交響曲第5番第4楽章の旋律がグスタフの心境にシンクロナイズする。ヴィスコンティ監督独特の頽廃美がまるで白日夢のようだ。玄人受けのする映画だ。第7位
「パリは霧にぬれて」
謎の花束。子供の失踪。警察の誤解。疑わしい複数の女性。そして、その背後の謎。フラフープや、帽子や、絵の用い方の巧さ等々。さすが、「禁じられた遊び」のルネ・クレマン監督だ。第8位
「シャーロック・ホームズの冒険」
ホームズとワトソンらがネス湖に赴くシーケンスから次第に高揚。自然美と怪奇性は絶品。媚びと。カナリア。墓場。ネス湖の怪獣?実は…。古城。ヴィクトリア女王まで登場。ラストのどんでん返し鮮やかなり。第9位
「コールガール」
何よりも光と影に煌めく夜のNYを始めとする雰囲気が秀逸。映画は映像の芸術である以上、撮影の可否は作品の質全体を左右する。いい撮影だなぁと思っていたら…第10位
「アンドロメダ」
無出血の解明は、SFらしい魅力の片鱗を垣間見る。が、アンドロメダの分析研究は些か冗漫。長すぎる感有り。その後は予想される結末まで一気一気に突っ走る。**The End**FIN**FINE**
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