わが恋は燃えぬ
1949年[監督]溝口健二[出演]田中絹代。水戸光子。小沢栄太郎。菅井一郎。東野英治郎(他)

日本映画界が誇る巨匠の一人、溝口健二監督が1949年に撮った。前年に学制改革で新制高校が発足している。私はその第1期生だった。多くの課外クラブが出来た。映画鑑賞班に入った。観るのは洋画ばかり。この邦画は勿論リアルタイムで観ていない。
実在の人物がモデルと思われる。話は明治17年に始まる。2年前に第1次世界大戦が勃発していた。この年に生まれた祖母から聞いたいろいろな話が懐かしく思い出される。
冒頭附近では痛んだアナログ・フィルムは雨が降り、ザーザーというノイズも聞こえたた。が、そんなハンディも何時の間にか忘れさせた。
その源流は田中絹代扮する平山英子の果敢な行動力。岡山の旧家に生まれ育った彼女だったが、恋人の自由民権思想に感化を受ける。
その恋人を頼り単身上京した彼女の眼に写ったもの。それは、現在では想像もつかぬ男性優位の社会だった。
これが彼女をして女性解放に目覚めさせる切っ掛けとなる。そのプロセス描写は説得性がある。著名な政治家から、恋人までも、裏面は女性を性の捌け口にする獣だった。余談乍ら実在した某政治家も登場しているようだ。
政治活動で投獄される平山英子。「出獄出来るよう助けたい」と訪れる恋人の申し出も拒否する彼女。その信念は強く観る者を打つ。
時代考証は綿密である。米俵。石臼。灯油ランプ。人身売買。馬車。人力車。唐草模様の風呂敷包み。明治の女性の生活や風習が息づいていた。「正しく生きようとする事は苦しい事」という台詞を響かせながら。

日本映画界が誇る巨匠の一人、溝口健二監督が1949年に撮った。前年に学制改革で新制高校が発足している。私はその第1期生だった。多くの課外クラブが出来た。映画鑑賞班に入った。観るのは洋画ばかり。この邦画は勿論リアルタイムで観ていない。
実在の人物がモデルと思われる。話は明治17年に始まる。2年前に第1次世界大戦が勃発していた。この年に生まれた祖母から聞いたいろいろな話が懐かしく思い出される。
冒頭附近では痛んだアナログ・フィルムは雨が降り、ザーザーというノイズも聞こえたた。が、そんなハンディも何時の間にか忘れさせた。
その源流は田中絹代扮する平山英子の果敢な行動力。岡山の旧家に生まれ育った彼女だったが、恋人の自由民権思想に感化を受ける。
その恋人を頼り単身上京した彼女の眼に写ったもの。それは、現在では想像もつかぬ男性優位の社会だった。
これが彼女をして女性解放に目覚めさせる切っ掛けとなる。そのプロセス描写は説得性がある。著名な政治家から、恋人までも、裏面は女性を性の捌け口にする獣だった。余談乍ら実在した某政治家も登場しているようだ。
政治活動で投獄される平山英子。「出獄出来るよう助けたい」と訪れる恋人の申し出も拒否する彼女。その信念は強く観る者を打つ。
時代考証は綿密である。米俵。石臼。灯油ランプ。人身売買。馬車。人力車。唐草模様の風呂敷包み。明治の女性の生活や風習が息づいていた。「正しく生きようとする事は苦しい事」という台詞を響かせながら。
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