誘惑
1948年[監督]吉村公三郎[出演]原節子。佐分利信。杉村春子。山内明(他)

遥か向こうの銀嶺は飛弾の山並みか?。父の墓標の前で人見孝子は矢島隆吉と出逢う。かって、孝子の父に薫陶を受けた隆吉も墓参に訪れたのだった。
という場面から始まるこのモノクロ映画は、古き佳き時代の男女の愛を讃歌して止まない。題意は次第に研ぎ解れて行く。
只一人の肉親も亡くしてしまった孝子。妻は病気療養中で二人の子を抱える隆吉。医大生の孝子が竜吉の家から通うことになるのは自然の成り行きだった。
その後の二人に起伏して行く感情描写も巧みだ。迸る本能を堪える二人の理性からは、今や廃れ去った昭和の価値観を思い起こさせた。
温泉宿ホールで踊る二人。カメラは足や手の動きだけを写し、顔の表情は写さず。それのみで、揺れ動く二人の心境を印し充分。新鮮な撮影だ。
総てを悟った隆吉の妻に、後事を託される孝子。
親しかった同窓の三郎との狭間に立ち、決断するラストが、この上もなく凛々しく見えた。

遥か向こうの銀嶺は飛弾の山並みか?。父の墓標の前で人見孝子は矢島隆吉と出逢う。かって、孝子の父に薫陶を受けた隆吉も墓参に訪れたのだった。
という場面から始まるこのモノクロ映画は、古き佳き時代の男女の愛を讃歌して止まない。題意は次第に研ぎ解れて行く。
只一人の肉親も亡くしてしまった孝子。妻は病気療養中で二人の子を抱える隆吉。医大生の孝子が竜吉の家から通うことになるのは自然の成り行きだった。
その後の二人に起伏して行く感情描写も巧みだ。迸る本能を堪える二人の理性からは、今や廃れ去った昭和の価値観を思い起こさせた。
温泉宿ホールで踊る二人。カメラは足や手の動きだけを写し、顔の表情は写さず。それのみで、揺れ動く二人の心境を印し充分。新鮮な撮影だ。
総てを悟った隆吉の妻に、後事を託される孝子。
親しかった同窓の三郎との狭間に立ち、決断するラストが、この上もなく凛々しく見えた。
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