1974年公開の日本映画 My Best9
【1】[まえがき]

【この年の思い出】
①[世界から]
アメリカのインテル社が、8ビットCPU(i8080)を発表した。現在のパソコンのルーツを手繰れば、これこそハードの元祖といえよう。
ハードが出来れば、ソフトが生まれる。ソフトの元祖は翌年になる。
②[日本から]
前年のオイルショックが尾を引いた。値上がりと物不作は、右肩上がりの日本経済に歯止めを掛けた。
トイレットペーパー売場に、買い物客が殺到した。原材料が石油製品の物資が高騰したのを思い出す。
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【2】
My Best9【各画像クリックで本文】
第1位
「砂の器」
形はどのように変っても、親と子の宿命だけは永遠のものである」と結ばれたこの映画の時代から40年近く経つ。未だに社会の一部に残る偏見に、人間の業の重さを感じる。しかし、時を越え、如何に世相が替わろうとも、何度観ても飽きぬ映画。そして多分、10人中9人には愛されるであろうこの映画。それは名画だ。この『砂の器』は私の日本映画ベスト5本の中に入る。
第2位
「サンダカン八番娼館 望郷」
地球上で3番目に大きい島カリマンタン。太平洋戦争当時は英領ボルネオ島と呼ばれていたその東北端にサンダカンは在る。現在はマレーシア連邦サバ州に属すと思う。幼くして薄幸だったサキが、同じ定めの娘と共にサンダカンの娼館、八番館に売られたのは僅か12歳の時だった。。これはある過酷な女の一生でもあり、矛盾せる社会への抗議である。
第3位
「わが道」
事故当時、夫の身元がはっきり分かる書類を持っていたにも拘わらず、行方不明者扱いになっていた。関係部署に対しミノの怒りは爆発する。民間からも起こってきた応援のもと、ミノが勝訴するまでの迫真力は瞬きも許さぬ。関係諸官庁の不誠実な事件が絶えぬ現在、些かも色の褪せていない意欲作である。
第4位
「男はつらいよ 寅次郎恋やつれ」
娘にそっとお金を渡し「箪笥の衣料を適当に持って来た」。感極まる歌子。父娘和解の素晴らしさは続く。 「いや、何も君が謝る事はない。謝るのは多分私の方だろう。私は口べただから誤解される事が多くてな。私は歌子が信じた道を真っ直ぐに歩んでくれた事が嬉しくて、ほんとうに嬉しくて……」ここで遂に絶句する父親。 父親目線で見ている私も泣いてしまった。宮口精二の名演で、実に感動的なシークェンスに仕上がっている。
第5位
「竜馬暗殺」
「えじゃないか」の行列。等々。カットとカットの繋ぎが荒々しく感じる。竜馬が天下国家を論じる場面は殆ど無い。寧ろ幡との戯れに現を抜かす場面に力点を感じる。右太と昇った近江屋の屋根が平和の一瞬だったかもしれない。「竜馬も人並みな人間だった」と主張しているようにも見えたこの映画である。
第6位
「華麗なる一族」
官庁中核職に在る長女の夫を利用する大介の背に、戦国時代武将の蔭が宿る。次男銀平は関西財界の息子と、恋人のいる次女まで、総理甥と見合させるその魂胆。こんな中で、何故か鉄平に冷い大介の謎を明らかにしていくプロセスと盛り上げが鮮やか。物語は、鉄平が命を賭けた高炉の事故をクライマックスとして、悲劇の道へ。奢る平家久しからず。の教訓が姿勢を正す。[
1975年12位
↑
第7位
「男はつらいよ 寅次郎子守唄」
「子守唄」という副題は唐津の出来事で名付けられた。見方を変えればこの第14作の主役は赤ん坊かもしれない。 前作「恋やつれ」では泣かされたが「子守唄」では大いに笑わされる。人間は感情の動物。喜怒哀楽の繰り返しが人生なのだ。 寅さん映画は、“泣き笑い”の人生以外に、“愛”を中心に、人間と人生を考えさせても呉れる。人間は考える葦であると。只の喜劇でない所以が此処にある。 赤ん坊が縁で寅さんと親しくなる看護師のマドンナ十朱幸代さん。この作品では溌剌としている。
第8位
「赤ちょうちん」【本文なし】
自己の心に正直に発言すれば、こういう映画は好きではない。
遊興的、退廃的、消極的、とでも言おうか…。
だが憎いことに映画としての作りは上手い。
♪神田川が活きる。
そして何よりも秋吉久美子が適役。活き活きとしている。
ポルノ路線から目覚めた日活の横顔が垣間見られる。
第9位
「狼よ落日を斬れ/風雲篇・激情篇・怒濤篇」【本文なし】
話は、江戸と、京都を繋ぐ。新選組。人間、沖田総司。鳥羽伏見の戦いから、上野、彰義隊へ。滅びの美学は尚も続く。西南戦争勃発で、舞台は鹿児島へ。西郷隆盛の最期まで。波乱の幕末から明治初期を生きた二人の男。虎之助と半次郎の生き様は凄い迫真力で迫り来たる。
=====【完】=====

【この年の思い出】
①[世界から]
アメリカのインテル社が、8ビットCPU(i8080)を発表した。現在のパソコンのルーツを手繰れば、これこそハードの元祖といえよう。
ハードが出来れば、ソフトが生まれる。ソフトの元祖は翌年になる。
②[日本から]
前年のオイルショックが尾を引いた。値上がりと物不作は、右肩上がりの日本経済に歯止めを掛けた。
トイレットペーパー売場に、買い物客が殺到した。原材料が石油製品の物資が高騰したのを思い出す。
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【2】
My Best9【各画像クリックで本文】
第1位
「砂の器」

第2位
「サンダカン八番娼館 望郷」

第3位
「わが道」

第4位
「男はつらいよ 寅次郎恋やつれ」

第5位
「竜馬暗殺」

第6位
「華麗なる一族」

1975年12位
↑
第7位
「男はつらいよ 寅次郎子守唄」

第8位
「赤ちょうちん」【本文なし】

遊興的、退廃的、消極的、とでも言おうか…。
だが憎いことに映画としての作りは上手い。
♪神田川が活きる。
そして何よりも秋吉久美子が適役。活き活きとしている。
ポルノ路線から目覚めた日活の横顔が垣間見られる。
第9位
「狼よ落日を斬れ/風雲篇・激情篇・怒濤篇」【本文なし】

=====【完】=====
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