さよなら子供たち

と き=1944年。
ところ=ナチス・ドイツ占領下のフランス。ある寮制度の学校。
主人公=フランス少年;ジュリアン・カンタン(12歳)。
ジュリアン少年の眼を通して描かれる情景は、怒りに溢れ、哀しさに満ちる。
この年、ルイ・マル監督も12歳だった。彼の自伝的作品ということが、その丁寧な描写からも立証された感がある。
ヌーヴェル・ヴァーグの元祖と称される由縁はこの作品から来たと思う。松竹ヌーヴェル・ヴァーグの旗手と云われた大島渚監督も、この映画の頃に胎動した。奇しくも同年齢。何かの因縁を感じる。
転入生ジャン・ボネとの、愛と恩讐を超えた交流プロセスは秀逸。時には一悶着。時には微笑ましく。坦々と流れゆく小川のよう。
それだけに、生々しく迫り来たるのである。ジャン・ボネらと共にゲシュタポに捕らわれたジャン校長のメッセージが。

「さよなら子供たち、また会おう」。
↓ひとりごと
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