東京キッド 1950年

♪~東京キッドを唱う天才少女歌手美空ひばりをリアルタイムで知っている。事の真偽は別にしてあくまでも当時の話としてではあるが、音符を読めないとかいう蔭の噂話を漏れ聞いたことを思い起こしたりはする。今から思えば人気抜群の彼女に対する一部の妬みだったのかもれない。
その歌唱力は抜群、一分の隙もなかった。演技力も備えた天才ということは自他共に認めるところではあるまいか。
時には歌唱力よりもショウ的効果を狙うようにも見えることもある現在とも思うが、その価値観の変遷は別にして、歌唱力第1主義の昔に戻させてくれた一時であった。

映画としての内容は他愛ないものではあるが……。
銀幕に出現するところの、雨洩れ。尋ね人広告。流し。ビンゴ。……みんな、みんな古き良き時代の遺産となったなぁ。
湯の町エレジー、これはヒットしたぜぃ。この歌は今でも口伴奏付きで唄える。下手くそ乍らに~。
あ~トンコ節の久保ゆきえ。懐かしいなぁ。当時この歌が聴かれぬ忘年会は無かったもの。
当時の喜劇界両巨頭、アチャコとエノケンが円熟した好助演。
川田晴久のプロ根性が滲み出た、巷に荒廃未だ残れる戦後の一時を代表するような、娯楽作の一編と云えそうだ。極論すれば所詮映画は娯楽である。
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