東京家族 2012('13公開.日本)

つい先日、小津安二郎監督没後50年特集番組を見た。改めて日本が生んだ世界の巨匠の偉大さを思った。
山田洋次監督も最大の敬意を込めて此の映画を撮られたことを終始感じた。
リメイク作品は①オマージュ型と②パロディ型(パクリに非ず)に大別されると思う。
当該作品はエンド・クレジットのメッセージにもある如く、紛れもなく①に属する。
それも古今東西数々ある①作品の中でも可成り上位の作品と感じた。
リメイクはオリジナルには及ばぬ宿命的な諸ハンディを有するもの。だけど当該作品はこれを打ち消すものを有していた。
オリジナル「東京物語」の時代から60年の歳月が流れている。が、
“時代の変遷で価値観は変われど、人間が本来保有する本質は不変である”と叫んでいるように私の眼には写った。これぞ「東京家族」のテーマではなかろうか?と。
その根元には私の信条“感動”があった。、オリジナルでは一度も泣かなかった私が、全編を通じて三度涙を流したことがその証明である。
私の第二の信条“面白さ”についても欠くことは無かった。一例が橋爪功と小林稔侍という二人のベテラン俳優による絶妙の酒場シーン。如何に親友だったとは云え、所詮、他人は他人なのである。。
リメイクに拘らぬ息吹きや個性味も垣間見られた。東日本大震災まで背景に織り込むなど現代に即応した背景設定や、その他諸々の挿話も新鮮味あり。
音楽で云えば見事な編曲といえよう。私の洋画No.1「第三の男」がチラッと登場した時など、全く個人的な事柄乍らちょっぴり感激したもの。
これまた個人的な事象ながら、本日は春日若宮おん祭。千二百有余年の歳月が流れど、神を敬う人の本質、何等変わらず。
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