男はつらいよ 純情編

在りし日の渥美清さん。ある新人女優を評し「彼女いいね。寅さんに合うと思う」と漏らされた。それを聞いたさる人が「監督に伝えましょうか?」と応えると「それは俳優が言うべきじゃない」と言われたそうだ。此を聞き山田監督が感動された記事を読んだ事がある。いい演技者と、いい監督コンビ有りてこそ、いい映画が生まれる。

そういえば、森繁久彌と、国民栄誉賞コンビで組んだこの第6作は、なかなかのもの。「ふるさとっていうやつはよう…」の台詞一つにも余韻が棚引く。台詞なしでも背中で演技している森繁久彌は凄い。

赤電話が姿を消したなぁ。冒頭、五島列島に向かう赤子を抱いた女性。見た顔だと思っていたら、宮本信子だった。若いツ!。今回のマドンナ若尾文子も溌剌としている。
【私の評価】力作の匂いがする佳作。
【私の好み度(①好む。②好む方。③普通。④嫌な方。⑤嫌)】→①。
1971年(2012/1/TV録画観賞=再見).日(松竹)[監督]山田洋次[撮影]高羽哲夫[音楽]山本直純[主な出演者★=好演☆=印象]★渥美清。若尾文子。★森繁久弥。宮本信子。松村達雄。垂水悟郎。森川信。倍賞千恵子。前田吟。三崎千恵子。笠智衆。太宰久雄。佐藤蛾次郎。[上映時間]1時間30分。