紅いコーリャン

鑑賞記を簡潔に3行で表現すれば、
①赤一色が続く画面に目が点。
②「日本人が来た」という台詞に吃驚。
③その後の出来事に仰天…&一日本人として反省。
だった。
何処までも続く広大な高梁畑を染める真っ赤な夕日。それは如何にも大陸的で雄大だ。だがその赤は美しいというよりも、血生臭いという表現の方が勝るのである。
残酷場面には思わず眼を逸らしたくなる。タッチも如何にも荒々しい。だが、その底流に見られる反日感情には、一日本人として襟元を正す思いがする。
この映画は1987年に撮られている。1978年、訪中時に発病した時、現地で受けた親切な行為は今も忘れられぬ。
親身も及ばぬあの行動は、恩讐を超えたものだった事は、ドラマ「大地の人」も実証している。
チャン・イーモウ監督も、高倉健主演で撮った「単騎、千里を走る。」(2006年)でも、その事を実証して呉れた。
願わくば最近ギスギスしている日中関係が、これら映画を通じて、少しでも改善されないだろうかと、願うや切である。
【私の評価】力作の匂いがする佳作。
【私の好み度(①好む。②好む方。③普通。④嫌な方。⑤嫌)】→③。
1987年(89公開)(2012/2/11観賞=初見).中国[監督]チャン・イーモウ[撮影]クー・チャンウェイ[音楽]ツァオ・チピン[主な出演者★=好演☆=印象]コン・リー。チアン・ウェン。トン・ルーチェン。リウ・チー。チー・チェンホア[原題]紅高梁RED SORGHUM[上映時間]1時間31分。