阪急電車 片道15分の奇跡

5月6日の甲子園。ピンク地の阪神ユニホームで始球式をした少女が観戦中に「今夜『阪急電車』見て~宮本信子さんの孫よ」と言った。芦田愛菜という子役と知る。この映画、題名だけは知っていた。録画したのを翌日に観た。

宮本信子の存在感は抜群だった。何と言ってもドラマが締まる。
時江に扮した彼女は、後輩に彼氏を獲られた翔子に話しかける。諭すように。
「泣くのはいいの。でも自分の意志で涙を止められる女になりなさい」と。
この映画の佳いのは、これだけで終わらぬ事。
翔子は、ハブにされている少女に話しかける。優しく。
「綺麗な女は損するように出来ているの」。更に続ける。
「貴女も大きくなったらきっと解るわ。人生の機微を」と。
時江に人生の機微を得た翔子の心中が読み取れて、心温まる瞬間でもあった。
客車内でピーチクパーチク囀る雀どもに対して、遂に我慢の緒を切らした時江が敢然と大爆発するシーン。
他の乗客の怒りも代弁していて実に痛快。
長い人生。時には勇気が必要なんだ。と教えられる。
それにしても、「あぁ~!スカッとした」。
【私の評価】優れた作品です。
【私の好み度(①好む。②好む方。③普通。④嫌な方。⑤嫌)】→②。
2011年(2012/5/7TV録画観賞=初見).日(東宝)[監督]三宅喜重[撮影]池田英孝[音楽]吉俣良[主な出演者★=好演☆=印象]★宮本信子。★中谷美紀。戸田恵梨香。南果歩。谷村美月。有村架純。芦田愛菜。小柳友。勝地涼。玉山鉄二[上映時間]2時間00分。