新藤兼人監督を偲ぶ
新藤兼人監督が100才の天寿を全うされた。多くのマスコミで報道されているので、同じようなことを書いても意味がない。
を念頭にして、この偉大な監督を、私の心に浮かぶ儘少し偲んでみたい。
監督の遺作「一枚のハガキ」は未見である。だがそのスチール写真を見た時驚いた。「裸の島」の一場面と同じポーズではないか。と。監督の一貫した哲学を垣間見る思いだった。


97才の時に撮られた「石内尋常高等小学校 花は散れども」は観ている。この若々しい作品に思わず「ばんざ~い!!」を叫んだ私だった。「一枚のハガキ」を撮られた後、TVで、「まだ撮りたい作品が一つある」と情熱を吐露されていたことも思い出す。正に、心は青春の監督だった。
「ある映画監督の生涯 溝口健二の記録」も強い印象を宿している。両監督の個性の強さが共通していると思った。溝口健二監督は、小津安二郎監督が激賞された成瀬巳喜男監督の「浮雲」を敢然と批判された反骨の人との印象がある。「愛妻物語」を巡る問題から敢然と近代映画協会を創立された新藤兼人監督の反骨精神と相通ずるものを感じるから。
思えば「原爆の子」「第五福竜丸」「人間」「わが道」「裸の島」「裸の十九才」みんな、みんな愛妻が出演されていた。その人、乙羽信子の出演遺作「午後の遺言状」を撮られてから17年。今、愛する妻の許へ旅立たれた新藤兼人監督。心よりご冥福をお祈り致します。
を念頭にして、この偉大な監督を、私の心に浮かぶ儘少し偲んでみたい。
監督の遺作「一枚のハガキ」は未見である。だがそのスチール写真を見た時驚いた。「裸の島」の一場面と同じポーズではないか。と。監督の一貫した哲学を垣間見る思いだった。


97才の時に撮られた「石内尋常高等小学校 花は散れども」は観ている。この若々しい作品に思わず「ばんざ~い!!」を叫んだ私だった。「一枚のハガキ」を撮られた後、TVで、「まだ撮りたい作品が一つある」と情熱を吐露されていたことも思い出す。正に、心は青春の監督だった。
「ある映画監督の生涯 溝口健二の記録」も強い印象を宿している。両監督の個性の強さが共通していると思った。溝口健二監督は、小津安二郎監督が激賞された成瀬巳喜男監督の「浮雲」を敢然と批判された反骨の人との印象がある。「愛妻物語」を巡る問題から敢然と近代映画協会を創立された新藤兼人監督の反骨精神と相通ずるものを感じるから。
思えば「原爆の子」「第五福竜丸」「人間」「わが道」「裸の島」「裸の十九才」みんな、みんな愛妻が出演されていた。その人、乙羽信子の出演遺作「午後の遺言状」を撮られてから17年。今、愛する妻の許へ旅立たれた新藤兼人監督。心よりご冥福をお祈り致します。