ローマ帝国の滅亡

滅びの美学を連想するような題名だが、そのような内容ではない。其処へ向けて、主人公が「グラディエーター」のように勇士(ラッセル・クロウ)ではなくて、勇士の恋人(ソフィア・ローレン)にしたことが、この映画のレベルを決定づけさせた。これが、12年前に観た時と、評価が逆転した最大の理由。
もともと、キリスト史劇は好きだ。この映画も、ローマ帝国の宮殿や、多分アッピア街道の松並木と思われるローマの松も、その雰囲気を盛り立てる。
だが延々と繰り返される戦闘場面や元老院の演説は、時には眠気を催すほど延々と続く。要するに描写がオーソドックス。現在の眼からはテンポが鈍く、少々気怠い。
若干の見どころはあった。
①コモンドゥスの行動から、「ローマ帝国と同じ体勢の国が現在も在るなぁ」と感じさせたこと。
②侵略は、憎しみと、新たなる戦を生むだけ。と再認識したこと。
③「奴隷は働かない」「自由人こそ働く」台詞が新鮮だったこと。
等である。
【私の評価】中の中。
【私の好み度(①好む。②好む方。③普通。④嫌な方。⑤嫌)】→③。
1964年(2012/6/1TV録画観賞=再見).米(コロンビア)[監督]アンソニー・マン[撮影]ロバート・クラスカー[音楽]ディミトリ・ティオムキン[主な出演者★=好演☆=印象]ソフィア・ローレン。スティーヴン・ボイド。クリストファー・プラマー。アレック・ギネス。メル・ファーラー。ジェームズ・ルイソン[原題]THE FALL OF THE ROMAN EMPIRE[上映時間]3時間14分。