男はつらいよ 花も嵐も寅次郎

男はつらいよシリーズは、観る人によっては「みんなクローン映画」かもしれない。分からぬこともない。甚だ失礼乍ら私は「釣りバカ日誌シリーズ」が同じ様に見える時もあるから。
でも、吟味しつつ再見していると一作一作違う味がある。同じフランス料理でも、店独特の味がある。例えがどうか分からぬがそのようなものである。
結論から言えば、今回は平凡。あまり見所がなかった。沢田研二が寅さんに「男は顔だけでは駄目ですか」と聞き質すショットで、マドンナ役の田中裕子との当時噂のロマンスが折り重なって見えるハンディがそうさせたか?。
決してそうではない。映画の出来映えと、実生活問題とは飽く迄も別物というのが私の信念。
だからそういう事は抜きにして、極論かもしれぬが、二人の提灯持ちを寅さんがするだけ。という概要では、このシリーズ第30作は凡作に近いと言わざるを得ないのである。
この映画の題名ではないが、何事も花の時もあれば、嵐の時もある。
【私の評価】中の中。
【私の好み度(①好む。②好む方。③普通。④嫌な方。⑤嫌)】→③。
1982年(2012/6/9TV録画観賞=再見).日(松竹)[監督]山田洋次[撮影]高羽哲夫[音楽]山本直純[主な出演者★=好演☆=印象]渥美清。田中裕子。沢田研二。内田朝雄。児島美ゆき。殿山泰司。朝丘雪路。倍賞千恵子。前田吟。吉岡秀雄。下条正巳。三崎千恵子。太宰久雄。笠智衆。佐藤蛾次郎[上映時間]1時間46分。