博奕打ち総長賭博

阪神タイガースが低迷を続けている。「喜びも悲しみも幾歳月」65年間応援。度々地獄も見て来た。今更ビクともしない。頼もしい兄貴も居る。でもその兄貴という言葉に抵抗を感じた時期があった。
兄貴→兄貴分→兄弟分→舎弟→代貸→○人衆→○○一家→○代目○○長と、言葉の連鎖反応が起こるからか?。この種のジャンル映画は、ホラー映画と共に苦手という背景がそうさせたのだろう。
ということで、鶴田浩二がその名を高めた博奕打ちシリーズは未見だった。が、今回初めてその1本を観た。それは下記理由に因る。
理由①合格した勢いで挑戦した1クラス上の映画検定。苦手の博奕打ちシリーズが出題され惨敗。好き嫌いに拘っては真の映画通に非ず。と自覚したこと。
理由②シリーズ全10作の中で特にこの第4作は、あの三島由紀夫が絶賛したことで有名。故に興味が湧いたこと。
観賞後の所感。
「ゴッドファーザー」で感じ入った“家族の絆”が、此処では社会の裏面に息づく人間の“組織の絆”に取って代わった感だった。
時代背景は私が生まれて間もない頃。時の流れで社会も、其処に渦巻く人間模様も大きく変わった。当時は社会の表裏に拘わらず物事に筋を通すという事が、現在以上に重みがあった事を実感出来た。
途もすれば希釈に成りがちな万象を折りに触れて感じる今。少なくとも明治から昭和初期まで息づいていたと思う感性が懐かしい。
間違っているかもしれぬが、三島由紀夫氏もそのようなことを想われたのではないだろうか?とふと思った。彼の遺作となった豊饒の海シリーズ4部作。その第一巻「春の雪」は映画化された。鑑賞した当時の感覚に相似性を見出した故。
[私の評価]意欲感じる力作。
[私の好み度](①好む。②好む方。③普通。④嫌な方。⑤嫌)】→⑤。
1968年(2012/6/13TV録画観賞=初見).日(東映)[監督]山下耕作[撮影]山岸長樹[音楽]津島利章[主な出演者]鶴田浩二。藤純子。桜町弘子。金子信雄。★若山富三郎。[上映時間]1時間35分。