マーラー 君に捧げるアダージョ

縁は異なものである。一週間ほど前に「マーラー」を観たばかりなのに、またマーラーの映画を観た。こんな事って在るんだなぁ。
起こったのは史実。どう起こったかは創作。として始まるマーラー伝記。妻の不貞に悩むマーラーが、あの有名な精神分析学者フロイト博士に頼るエピソードが異色である。
「10年も私に作曲を禁じておいて」アルマにも、成る程と思える理由があった。う~ん。
そこに追い打ちを掛ける長女の死。「最愛の娘の墓の前に妻と二人で立つ気持ちが何で分かる」。迸るように発するマーラーの気持ちは、同じように娘を亡くしたこの身。分かりすぎるほど解った。マーラーも人の親であった。
そして大作曲家であった。エンディングで紹介される使用音楽、交響曲第4番.第5番.第10番。を見てハッとなった。そうだ。交響曲は第9番で終わったベートーヴェンを超えようと作曲した第10番。それはシューベルトのそれと同じように未完成に終わったのだなぁ。と。
内容は先日観た「マーラー」とは双子のような作品だったが、また違った視野から描いていたので新鮮だった。
【私の評価】準佳作。
【私の好み度(①好む。②好む方。③普通。④嫌な方。⑤嫌)】→③。
2010年(11公開)(2012/6/21TV録画観賞=初見).独/オーストリー[監督]パーシー・アドロン[撮影]ベネディクト・ノイエンフェルス[主な出演者★=好演☆=印象]ヨハネス・ジルバーシュナイダー。バーバラ・ロマーナー。カール・マルコヴィクス。フリードリヒメミュッケ[原題]MAHLER AUF DER COUCH[上映時間]1時間42分。
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昨日菜園で、ユリの花が好きだった次女にと頂いた時は蕾膨らむ程度だったのが、梅雨の晴れ間のように今朝パッと開いた。
