1968年公開の日本映画 My Best5
【1】
[まえがき]
小笠原諸島返還の裏側で、東大闘争が勃発。“喜びも悲しみも”戦後23年目を迎えた此の年であった。
ラジカセが登場したのもこの年。大卒初任給に匹敵する約3万円の発売価格だった。
現在のテレビ価格と対比すれば、当時の貨幣価値が思い出される。
序でに私事ながら、当時某プロジェクトに忙殺されていた私の月給を調べてみた。62800円だった。
仕事は成功したが、年始に、私が10才の時から女だてらに父代わりとして育ててくれた祖母が他界。私生活もまた“喜びと悲しみ”が同居した1968年を思い出す。
映画界は、時代劇の東映が任侠・ヤクザ路線で活躍した事が、私の第4,5位を見ても推察される。
その裏面では日活が、鈴木清順監督を「訳の解らん映画を作る」という理由で罷免している。「ツィゴイネルワイゼン」ね~。でも力作ですよ。あれ。
見逃して残念に思っている作品は「肉弾」。♪~忘れられないの~あの人が好きよ~。ピンキーとキラーズの「恋の季節」が流行ったなぁ。この年、、。
【2】
1968年公開作 My Best10【各画像クリックで本文】
第1位
「神々の深き欲望」
今村作品に見られる粘々したような描写は、私はあまり好きではない。が、この作品からは、胸を引き裂かれるような思いに苛まれる。『楢山節考』よりも、なお冷酷かもしれぬ。悲しい歴史は消えない。「この島から神様を外したら何も残らぬ」という台詞が何時までも余韻を残す。
第2位
「黒部の太陽」(本文なし。未レビュー)
3回は観ていると思う。なのにレビュー=0。ただ、黒部には2回行った。その中で1回は専門的な研修旅行だった。百聞は一見にしかず。この映画の内容が生々しく理解出来た。いゃ~人間って素晴らしいツ!。
第3位
「あゝひめゆりの塔」
昨夜(2007年8月15日)のTVは原爆に関わる純愛映画『愛と死の記録』(66)の後、この映画に出演していた吉永小百合さんが、20年も続けている原爆犠牲者の詩の朗読を紹介していた。「私はリアルタイムでは知らないが、心だけは……」祈るように読む彼女の朗読は万感胸に満ち、涙なしには聴けなかった。この日(2007年8月15日)の朝には彼女が主演した『あゝひめゆりの塔』を観たのも影響していたかも。
第4位
「人生劇場飛車角と吉良常」
♪~義理が廃れば~此の世は闇だ~。 その昔に見られた細やかで暖かい人情が、ともすれば薄まって、且つ廃れつつあるなぁと、時には感じる現世である。昔の良かった面は、決して闇に廃らしてはならないと思う。
第5位
「博奕打ち総長賭博」
ともすれば希釈になりがちな万象を折りに触れて感じる今。少なくとも明治から昭和初期まで息づいていたと思う感性が懐かしい。
======【完】======
[まえがき]
小笠原諸島返還の裏側で、東大闘争が勃発。“喜びも悲しみも”戦後23年目を迎えた此の年であった。
ラジカセが登場したのもこの年。大卒初任給に匹敵する約3万円の発売価格だった。
現在のテレビ価格と対比すれば、当時の貨幣価値が思い出される。
序でに私事ながら、当時某プロジェクトに忙殺されていた私の月給を調べてみた。62800円だった。
仕事は成功したが、年始に、私が10才の時から女だてらに父代わりとして育ててくれた祖母が他界。私生活もまた“喜びと悲しみ”が同居した1968年を思い出す。
映画界は、時代劇の東映が任侠・ヤクザ路線で活躍した事が、私の第4,5位を見ても推察される。
その裏面では日活が、鈴木清順監督を「訳の解らん映画を作る」という理由で罷免している。「ツィゴイネルワイゼン」ね~。でも力作ですよ。あれ。
見逃して残念に思っている作品は「肉弾」。♪~忘れられないの~あの人が好きよ~。ピンキーとキラーズの「恋の季節」が流行ったなぁ。この年、、。
【2】
1968年公開作 My Best10【各画像クリックで本文】
第1位
「神々の深き欲望」

第2位
「黒部の太陽」(本文なし。未レビュー)

第3位
「あゝひめゆりの塔」

第4位
「人生劇場飛車角と吉良常」

第5位
「博奕打ち総長賭博」

======【完】======