ブンミおじさんの森

まぁ、不可思議なファンタジーである。亡妻の出現とか、猿の精霊と化した息子とか、出ようとした部屋を振り返れば自分が居る場面とか、鯰に身を任す湖とかが、描かれる。
森や洞窟の大自然もファンタスティックな雰囲気を盛り上げる。展開も極めてスロー・テンポだ。やがて過去の人を消す未来都市の夢を見て主人公は逝く。
数々の台詞も奇々怪々。森で蜂蜜を作りながら「これは私のカルマ。共産兵を殺したからな」と言う主人公に応える妻の妹が奮っている。「父もそうだった。でも父は幽霊にならなかった」。なんのこっちゃ?。

そんな台詞の中にも「セブンイレブンへ行こう」が出てくるのに吃驚。薄型テレビやカラオケも出てくれば、人工透析という現代医学の場面も二度三度。
はっきり言って、私の浅はかな頭脳は混乱した。といって、難解映画と一蹴出来ぬ魅力を何か持っている。人間の生と死がテーマだろうと、何となく分かるからだ。
それを的確な文章表現出来ぬ力量不足を痛感する。何せ、こういう映画には所詮弱い。
【私の評価】佳作。
【私の好み度(①好む。②好む方。③普通。④嫌な方。⑤嫌)】→④。
2010年('11公開)(2012/7/24TV録画観賞=初見).タイ/英/仏/独/西/和[監督]アピチャッポン・ウィーラセタクン[撮影]サヨムプー・ムックディープロム[主な出演者★=好演☆=印象]タナパット・サーイセイマー。ジェンチラー・ポンパス。サックダー・グァウプアディー。。ナッタカーン・アパイウォン[原題]UNCLE BOONMEE WHO CAN RECALL HIS PAST LIVES[上映時間]1時間54分。