愛の勝利を ムッソリーニを愛した女
2011年公開(伊/仏)【監督】マルコ・ベロッキオ【出演】ジョヴァンナ・メッゾジョルノ。フィリッポ・ティーミ(他)

歴史には裏がある。葬られた真実が存在する。
世界大戦時、脚光を浴びたイタリアの宰相ムッソリーニ。
この映画は、そんな歴史の影に葬られた一人の女性、イーダ・ダルセルの怒りを強く主張する。
「すべて売ったわ」。自己の全財産をムッソリーニの活動資金に捧げる彼女。
「まるで持参金」の台詞を掻き消すような、ブラームスの子守歌が印象的。
ムッソリーニの前で二人の妻の格闘が物凄い。私生活は卑怯な男だったのだなぁ。
1920年2月13日。イーダ・ダルセルを息子ベニート・アルビノと共にトレント近郊の妹夫婦の許に移送。
社会主義者から、黒シャツ隊を統率する独裁者になっていたムッソリーニの変身ぶりに驚愕する。
主役がムッソリーニならば、その変身の理由を解かねばならぬが、この映画の主役は飽くまでもイーダ。だからこの程度でいいだろう。
イーダが産んだベニート・アルビノは精神病院に。陰謀は果てしない。「教会だけはファシストも恐れる」の台詞が胸に沁み入る。「汚いわ、この訊問は」怒るイーダ。
彼女が持っていたという、結婚証明書類や認知書等証拠書類は、闇に葬られたのか?。エンディング・メッセージでは「未だに見つかっていない」と伝えていた。
「3年も息子と会っていない」の台詞と、「母恋し」の息子の手紙が、無言の肉親愛を奏で涙を誘うばかりに。
“思い込んだら命がけ”という言葉があるが、イーダがムッソリーニに寄せる一途な愛は徒者ではなかった。公邸に押しかけるその執念には驚嘆する。
ヒトラーのドイツと同盟を結ぶムッソリーニ。これが彼の全盛期だった。数々の実録モノクロ画像が生々しい。
蛇足ながら、当時の軍国日本は、これら2国と同盟し、他の全世界を敵にしてしまった。
そんな日独伊三国同盟を記念して、当時日本領土だった仏領インドシナ(現ヴェトナム)のゴムの木から作られたゴム毬を貰った小学生時代を思い出す。
[エンド・メッセージ]
イーダは脳溢血で1937年12月3日死亡。
ベニート・アルビノは1942年8月26日精神病院で死亡26才。
ムッソリーニは1945年4月28日バルチザンに銃殺された。
事実の物語から受ける印象度は大きく、実に重い。

歴史には裏がある。葬られた真実が存在する。
世界大戦時、脚光を浴びたイタリアの宰相ムッソリーニ。
この映画は、そんな歴史の影に葬られた一人の女性、イーダ・ダルセルの怒りを強く主張する。
「すべて売ったわ」。自己の全財産をムッソリーニの活動資金に捧げる彼女。
「まるで持参金」の台詞を掻き消すような、ブラームスの子守歌が印象的。
ムッソリーニの前で二人の妻の格闘が物凄い。私生活は卑怯な男だったのだなぁ。
1920年2月13日。イーダ・ダルセルを息子ベニート・アルビノと共にトレント近郊の妹夫婦の許に移送。
社会主義者から、黒シャツ隊を統率する独裁者になっていたムッソリーニの変身ぶりに驚愕する。
主役がムッソリーニならば、その変身の理由を解かねばならぬが、この映画の主役は飽くまでもイーダ。だからこの程度でいいだろう。
イーダが産んだベニート・アルビノは精神病院に。陰謀は果てしない。「教会だけはファシストも恐れる」の台詞が胸に沁み入る。「汚いわ、この訊問は」怒るイーダ。
彼女が持っていたという、結婚証明書類や認知書等証拠書類は、闇に葬られたのか?。エンディング・メッセージでは「未だに見つかっていない」と伝えていた。
「3年も息子と会っていない」の台詞と、「母恋し」の息子の手紙が、無言の肉親愛を奏で涙を誘うばかりに。
“思い込んだら命がけ”という言葉があるが、イーダがムッソリーニに寄せる一途な愛は徒者ではなかった。公邸に押しかけるその執念には驚嘆する。
ヒトラーのドイツと同盟を結ぶムッソリーニ。これが彼の全盛期だった。数々の実録モノクロ画像が生々しい。
蛇足ながら、当時の軍国日本は、これら2国と同盟し、他の全世界を敵にしてしまった。
そんな日独伊三国同盟を記念して、当時日本領土だった仏領インドシナ(現ヴェトナム)のゴムの木から作られたゴム毬を貰った小学生時代を思い出す。
[エンド・メッセージ]
イーダは脳溢血で1937年12月3日死亡。
ベニート・アルビノは1942年8月26日精神病院で死亡26才。
ムッソリーニは1945年4月28日バルチザンに銃殺された。
事実の物語から受ける印象度は大きく、実に重い。