タバコ・ロード
1941年{公開=1988年}(米)[監督]ジョン・フォード[出演]チャーリー・グレイプウィン。ワード・ポンド。ジーン・ティアニ(他)

これがあの巨匠ジョン・フォードの作品か?と一瞬疑った。其処には同監督が同じ頃に撮った「わが谷は緑なりき」の感動や抒情性。そして「怒りの葡萄」の不撓不屈の精神は影を潜めていた。もしかして製作の48年後に公開された訳と関係ありや?。まさか。
話の舞台は、製作の10年前頃。タバコ・ロードと呼ばれた貧農地域。想像を絶する貧しさがそうさせたのだろうが、ジータ一族の品の無さには、時には嫌悪感さえ生じた。
末娘の婿が手にしている蕪に、眼爛々の夫婦。富豪の年輩女性との結婚を策する息子。逃げた末娘の後釜を狙う姉娘。等々。
衣食足りて礼節を知ると云う諺を、これほど実感したのも数少ない。タバコ栽培の夢も儚く。救貧農場の存在なども交えて話は坦々と展開してゆく。

そのような話の中で、モノクロ画面の木々が緑色に見える(感ずる)ような撮影が格調高い。
ジータが銀行から出て来た時など、音楽も印象深いものがある。
そして、社会の底面に生きる人々の姿と真っ正面に向き合った姿勢には、さすが巨匠の作品と唸らせるところも垣間見られた。

これがあの巨匠ジョン・フォードの作品か?と一瞬疑った。其処には同監督が同じ頃に撮った「わが谷は緑なりき」の感動や抒情性。そして「怒りの葡萄」の不撓不屈の精神は影を潜めていた。もしかして製作の48年後に公開された訳と関係ありや?。まさか。
話の舞台は、製作の10年前頃。タバコ・ロードと呼ばれた貧農地域。想像を絶する貧しさがそうさせたのだろうが、ジータ一族の品の無さには、時には嫌悪感さえ生じた。
末娘の婿が手にしている蕪に、眼爛々の夫婦。富豪の年輩女性との結婚を策する息子。逃げた末娘の後釜を狙う姉娘。等々。
衣食足りて礼節を知ると云う諺を、これほど実感したのも数少ない。タバコ栽培の夢も儚く。救貧農場の存在なども交えて話は坦々と展開してゆく。

そのような話の中で、モノクロ画面の木々が緑色に見える(感ずる)ような撮影が格調高い。
ジータが銀行から出て来た時など、音楽も印象深いものがある。
そして、社会の底面に生きる人々の姿と真っ正面に向き合った姿勢には、さすが巨匠の作品と唸らせるところも垣間見られた。