1974年公開の外国映画 My Best10
【1】まえがき
イタリア映画界、二人のの巨匠、ヴィトリオ・デ・シーカ監督と、ピエトロ。ジェルミ監督が、この年にこの世を去られている。
お二人の作品の中で、真っ先に思い出すのは、それぞれ、「自転車泥棒」。「鉄道員」である。
残念ながら、この年のMyベスト10にイタリア映画は無い。
その代わりにフランス映画がヨーロッパ映画を代表して5本入る。1位と3位作品を除いての上位独占は我ながら壮観。
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【2】 My Best10【各画像クリックで本文】
第1位
「スティング」
あっと言わせるそのラスト!最後まで洒落た演出冴え渡る。斜線の画面切り替えや、円形の画面絞りで、先へ先へと話は進む。雰囲気を醸し出す雨もそっと影からお手伝い。「さしもの殺し屋も女子トイレ迄は・・」の慧眼には参った、参った。
第2位
「少女ムシェット」
遙かに鐘の音が聞こえた。音楽は何処で聴いたのだろう?。と思っていろ内に、突然ホッペを叩かれたような!ラストで聴いた。此の映画は何を訴えて居るのか?。それは各人で考えよ。と言って居るのかも知れない。小津映画によく見られるように。
第3位
「ペーパー・ムーン」
この映画は、私が嫌う社会悪。その末席付近に座するペテン師の世界を描いている。9歳の少女は煙草まで吸うではないか。何か関連するような匂いもする。然し乍ら、この映画に嫌悪の念は湧かなかった。
第4位
「パピヨン」
5年の独房刑を終えたパピヨンは白髪になっていた。長い間に培われたルイとの友情。孤島からの脱出を計るパピヨンとの別れ。男同士の慟哭が脈々と伝わる。パピヨンの生への執着。自由への渇望に、尊敬の念さえ湧いてくる映画だった。夢と希望は失ってはならぬ。と、、。
第5位
「暗黒街のふたり」
恋人ルシーを脅迫する刑事に、怒り爆発したドーノの手は、刑事の首を絞めていた。前科者の烙印が結果を決定的にして居た。「17世紀の遺物ギロチンが未だに使われている古さ」を指摘した女性弁護士の言葉だけが強印象を残した。この映画の数年後、フランスは死刑廃止国となった。
第6位
「狼は天使の匂い」
紅葉酣の季節も近い。この映画も湖畔の紅葉が綺麗。過去の映画で最も印象に残るは1956年2月26日SY京映のパナビジョン・スクリーンに映えた「ハリーの災難」。こんな美しい紅葉画面をその後も見た事が無い。が、映画の紅葉は、ただ美しいだけでは駄目。「あゝ野麦峠」(79)で、「兄さ、飛騨が見える」背の妹最後の言葉に嗚咽するような紅葉でないと。チャーリーとトニーが籠もる紅葉の小屋に悲愴美を感じた。
第7位
「戒厳令」
同じ題名の話題作が同じ年に作られた。珍しいことだ。片方は日本映画。仏伊合作のこちらは、米国では作り得ない作品だ。といってもギリシャの匂いがする。監督が、かって東西大国の狭間で揺れた地中海の某国が背景の「Z」を撮ったコスタ・ガヴラスだった。「8月、南米は冬である」で始まるこちらの背景は、1970年、ウルグアイの首都モンテビデオ。話は戒厳令が敷かれた月曜日に始まり、悲劇の日曜日に終わる。
第8位
「華麗なるギャッビー」
何度も現れる広告塔の眼鏡が高級車のヘッドライトに変わる。車の左側は破損していた。高級ホテルのような豪華な屋敷。これ見よがしと衣裳を競う男女が繰り広げるゴージャスなパーティ。その末路は哀れなものだった。一人の女性と二人の男性が不慮の死を遂げる。「友情は生きている間だけ。死ねば終わり」の呟きがこのような伏線になっていたとは。
第9位
「追憶」
愛の結晶誕生後の離婚。愛のみでは結婚は成り立たず。こんな哀しい法則をこの映画は説得しようとするのだろうか。それでも二人のあのラスト。私には痛いほど理解出来る。
第10位
「叫びとささやき」
自分に偽り無く、正直に吐露すれば、こういう映画は好みではない。‘映画は自分が楽しむもの 好き嫌いは各人の自由であり 特権である’と云われた双葉十三郎さんのお言葉が、また思い出される。[私の評価]う~んッ!何と云いましょうか?。
=====【完】=====
イタリア映画界、二人のの巨匠、ヴィトリオ・デ・シーカ監督と、ピエトロ。ジェルミ監督が、この年にこの世を去られている。
お二人の作品の中で、真っ先に思い出すのは、それぞれ、「自転車泥棒」。「鉄道員」である。
残念ながら、この年のMyベスト10にイタリア映画は無い。
その代わりにフランス映画がヨーロッパ映画を代表して5本入る。1位と3位作品を除いての上位独占は我ながら壮観。
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【2】 My Best10【各画像クリックで本文】
第1位
「スティング」

第2位
「少女ムシェット」

第3位
「ペーパー・ムーン」

第4位
「パピヨン」

第5位
「暗黒街のふたり」

第6位
「狼は天使の匂い」

第7位
「戒厳令」

第8位
「華麗なるギャッビー」

第9位
「追憶」

第10位
「叫びとささやき」

=====【完】=====