セカンドバージン

「京都太秦物語」は、二人の男性の狭間で揺れ動く一女性の心理が臨場的で爽やかだった。
今回はその逆。二人の女性に挟まれた男性のケースだが、どろどろしていて爽やかではない。
8年前に遇った、るいと行。5年前、ヤンと変名した行はマレーシアに居た。万理江という妻が居る中で。
フラッシュ・バックに、フラッシュ・フォワード。日本とマレーシア。時と場所が激しく交錯する中で、ヤン撃たれる。
題意は途中で分かる。スコールの中、ずぶ濡れの着衣も厭わぬ、るいの色香が艶やか。
「あんたは強すぎる」の台詞が強い印象。行の気持ちは分かる。
「顰蹙は金を出してでも買え」の台詞も印象深い。妻、万理江の気持ちも理解出来る。
きめ細かく三者三様の心理を掘り下げた成果かもしれぬ。だが、所詮、それまでの映画。という印象も避けられない。